弁護士法人ブレインハート法律事務所

弁護士法人ブレインハート法律事務所

トップページ > サービス一覧 > 不動産 > 建築紛争

建築紛争

解説

「建築」には、自宅を新築する場合だけでなく、自宅のリフォーム工事の場合、自宅の庭に小さな倉庫を建てる場合、大きなビルを建築する場合、自宅の庭にアスファルトの道を造る場合(いわゆる土木工事)など、様々な形態があります。そして、建築形態や規模によって、注文者の要求内容や建築業者の作業内容が異なってきます。トラブルの内容も様々なケースがあり得ますし、特別な法律が存在する場合もありますので、解決方法もケースによって異なってくる可能性があります。

また、建築に関わる関係者は、注文者と請負人たる建築業者だけでないことも多く(建築業者は、部分的な工事を別の専門業者に依頼することがあります。)、関係者によって、その生じ得るトラブルの内容は異なります。例えば、注文者側であれば、業者の対応や工事内容に不満を持つというトラブルが比較的多いと思われますし、建築業者側であれば、注文者がきちんと代金を支払ってくれないというトラブルが比較的多いと思われます(その他にも、元請業者と下請業者との間のトラブルなども考えられます。)。

このように、「建築紛争」と言っても、その紛争の内容は「どのような建築なのか」「誰の誰に対する不満なのか」などによって異なり、また、考えられるトラブルは非常に多岐にわたるものであるため、考えられるトラブルを網羅的に取り上げることはせず、ここでは、比較的、一般の方が身近に巻き込まれる可能性のある「自宅を新築した場合に注文者が巻き込まれる可能性のあるトラブル」を取り上げます。

なお、建築紛争においては、建築士などの建築の専門家の力を借りることが有益であることが多いので(特に、注文者側が建築業者に対して不満等を抱えている場合)、法律家への相談も重要ですが、建築士などの建築の専門家に相談することも重要であることが必要な場合もあります。

Q&A

自宅を新築するため、建設会社と工事請負契約を締結したいと思っていますが、注意すべき点はありますか。

契約内容が明確であるか等を十分に確認し、納得のいく契約内容になった場合に契約を締結することが重要です。

確かに、自宅を新築する場合、完成までに一定程度の期間を要したり、工事に多数の人間が関与することになることなどから、工事開始後に契約締結段階では予測できないような問題等が生じることも少なくありません。また、どうしても契約当初には、時間がないなどの理由から、簡易な契約書しか作成することができない場合(「詳細な内容は、工事が開始した後で、注文者と請負人が話し合って詰めていく」という形で工事が始まる場合)もあります。

このように、工事開始後に当初予測できなかった問題等が生じた場合や、工事途中で細部を決めざるを得ないような場合、通常、注文者と業者との間で話し合いを行うことになると思われますが、その場合は、その内容等をできる限り詳細(工事箇所や、その箇所の費用、使用する材料の内容など)に書面化すべきです。特に、建築トラブルの多くは、「代金」と「工事内容(瑕疵・欠陥等)」ですので、注文者は、これらの問題については、話し合い等の結果を書面に残しておくべきです。

なお、書面を作成する場合、一方当事者の認識だけを記載しているように読めるようなものではなく、注文者と請負人(建築会社)の両方が合意していることがわかるような記載を心がけるべきです。

以上のような注意点は、新築住宅の建築を頼む場合だけではなく、建売住宅を購入する場合や、リフォーム工事を依頼する場合にも妥当するものです(リフォーム工事の場合は、特に気をつける必要があります。リフォーム工事に欠陥がある場合、その欠陥が工事によって生じたのか、もともとあった欠陥なのかを判断するためには、工事の「前」と工事の「後」とを比較する必要がありますので、工事の「前」の状況等に関する書面については、できる限り詳しいものを残すように心がけるべきです。)。

新築住宅が完成した後、業者から追加・変更工事の代金として、高額な追加代金を請求してきたのですが、支払わなければならないのですか。

あなたと業者との間で追加・変更工事に関する合意がなされ、その合意どおりに業者が追加・変更工事をした場合であれば、原則として、合理的かつ相当な金額を報酬として支払わなければなりません。これが口頭での合意であったとしても、同様に、報酬を支払わなければなりません。

口頭で追加・変更工事がなされた場合、「そもそもそのような合意があったのか否か」ということと、「合意があったとして、追加費用は合理的かつ相当か」ということが主に問題になることが多いと思われます。

前者について裁判などで争われた場合、結論はケースバイケースになると思われますので、そのような紛争を事前に防止することが重要になります。そのためには、口頭で追加・変更工事の約束をしないことが重要です。また、追加・変更工事の内容等をできる限り詳細に書面化すべきです。

後者については、「工事内容の相場」が明確でないことから、この点が裁判で争われた場合も、結論はケースバイケースになると思われますので、そのような紛争を事前に防止することが重要になります。そのためには、事前に、費用内容についても、業者と綿密な打ち合わせ等を行い、納得できる金額でなければ追加・変更工事を行わないという対応が重要です。

業者に自宅の新築工事を依頼したのですが、工事途中で欠陥があることが判明しました。業者に対して抗議したのですが、業者は抗議を受け入れずに工事を続けています。どうすれば良いでしょうか。

1 基本的な考え方

業者には、原則として、欠陥のない建物を完成させる義務があるので、あなたは、業者に対して、相当の期間を定めて欠陥の補修を催告することができますし、業者がそれを履行しないときは、業者の債務不履行(契約違反)を理由として、請負契約を解除することができます。あなたが請負契約を解除した場合であっても、あなたは、欠陥のない既施工部分の報酬を業者に支払わなければならない場合がありますが、解除したことによって生じた損害の賠償を業者に求めることもできます。

2 「欠陥」について

よく問題になるのが、「欠陥」の内容です。欠陥の内容を大きく分けると、「法令、契約書、設計図等に明らかに違反している工事」と「法令、契約書、設計図等に違反しているとは直ちにいえないような欠陥」に分類できるものと考えられます。後者は、「塗装にむらがある」「床にペンキをこぼしたような痕跡がある」「材木の切り方が雑である」など、業者の技術的な問題の場合などです(他にも、契約書等が存在しない又は簡易なものしか存在せず、工事内容の細部に関する合意が不明確で、約束違反かどうかを客観的に判定することが困難な場合があります。)。

前者については、1のような基本的な考え方に従った処理が可能な類型であると言えますが、後者については、そもそも「欠陥か否か」が争われる可能性があります。「むらがあるか否か」や「雑か否か」など、人によって評価が分かれるような問題が含まれていることもありますし、契約書等が不明確で約束違反(欠陥)かどうかよくわからない場合もありますので、後者の場合、「欠陥」自体を明確にすることが容易でない場合が多いと思われます。

「法令、契約書、設計図等に明らかに違反している工事」か否かを一般の注文者が判断することは困難ですから、それを判断するために、第三者の建築士事務所に工事監理業務だけを依頼することも考えられます(別途費用がかかるのが通常です。)。

「法令、契約書、設計図に違反しているとは直ちにいえないような欠陥」については、後で、何らかの法的権利を行使することが困難になる可能性がありますので、とにかく、早い段階で、問題点が明確になるような書面を作成する必要があります。この点についても、第三者の建築士事務所に工事管理業務を依頼することで、中立な立場から適正な工事になるよう尽力してもらえる可能性があります。

3 「工事途中」について

1のとおり、工事途中の欠陥の場合、請負契約を解除できる場合がありますが、工事途中でない、すなわち、工事が完成した場合は、請負契約を解除できない可能性があります。民法635条に「仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。」との定めがあり、この条文は「仕事が完成」した場合の規定とされているからです。

質問のケースで、欠陥に関する話し合いを業者と行っている間に、「仕事が完成」してしまったという場合は、契約を解除することができず、瑕疵担保の問題として考えなければならなくなる可能性もあります。欠陥がある住宅を作ることは「仕事の完成」と言えないのではないか、との疑問が生じるかもしれませんが、一般的に、工事が予定されていた最後の工程まで一応終了した場合には、欠陥があったとしても、一応仕事が完成したと扱われることが多いと思われます。

4 工事途中での解除について

民法上、請負契約を解除する場合の遡及に関する規定がないことなどから、請負契約が解除された場合、契約当事者は原状回復義務を負うのが原則であるとされています。つまり、例えば、更地に住宅を建てる契約の途中でその契約が解除された場合、業者は、建築途中の建物を壊して更地に戻したうえで、その土地を注文者に返還する義務を負うということです。

しかし、ケースによっては、上記のような解除が制限される場合があるので注意が必要です。つまり、建築工事において、工事内容が可分であり、かつ当事者が既施工部分の給付について利益を有するときは、特段の事情がない限り、既施工部分に関する契約を解除することはできません。どのような場合に解除が制限されるのかということは、様々な事情を考慮して判断されることになるので、ケースバイケースと言わざるをえません。

業者に自宅の建築を頼み、自宅が完成したので、その自宅の引渡しを受けて生活していたところ、住み始めてしばらくしてから、雨漏りがするようになりました。これは、業者が手抜き工事したことが原因ではないかと考えております。建築業者に対してどのような請求ができるのでしょうか。

1 基本的な考え方

雨漏りが、民法634条1項にいう「瑕疵」に該当する場合、あなたは、業者に対して、相当期間を定めて、瑕疵の修補を請求することができますし、あなたに「損害」が生じていれば、その損害を賠償するよう請求することができます。

2 「瑕疵」

一般的に、「瑕疵」とは、完成された工事が契約で定められた内容どおりではなく、使用価値や交換価値を減少させる欠点があるか、または当事者が予め定めた性質を欠くなど、不完全な点を有すること指すと言われています。もっとも、「瑕疵」か否かの判断には、評価が含まれますので、どのような欠陥が「瑕疵」に該当するかどうかは、ケースバイケースと言わざるを得ません。

また、仮に、「瑕疵」と言えるような欠陥があったとしても、それが、建築業者の工事によって生じたものと言える必要があります。例えば、雨漏りがあったとしても、その原因が、近所の子どもが野球をしていて、ボールが屋根にぶつかったことが原因で雨漏りするようになった場合などは、明らかに業者の責任ではありませんので、業者に対して雨漏りの責任を追及することはできません。そのため、雨漏りの原因が、建築工事の不備等の原因を調査する必要があるのですが、このような調査には建築士などの建築の専門家の力が必要ですので、自宅の問題に気付いた場合には、速やかに建築士などの建築の専門家に相談すべきです。

3 損害

雨漏りのケースであれば、雨漏りによって床が腐ったなどの事情があれば、その床を修繕する費用などが損害になると思われます。また、上記のように、建築士に依頼して瑕疵の調査をした場合、調査費用なども損害と認められる可能性があります。

4 瑕疵担保責任の存続期間

民法上、木造建物の瑕疵担保責任は、目的物の引渡しから5年、石造、土造、れんが造、コンクリート造、金属造その他これに類する構造の工作物の瑕疵担保責任は引渡しから10年であるとされています(民法638条)。

しかし、上記の存続期間は、特約によって短縮することができるとされているので、瑕疵担保責任の存続期間については、請負契約書を確認すべきでしょう。

もっとも、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」という法律が存在しており、新築住宅における一部分(構造耐力上主要な部分等)について、引渡しから10年間、建築業者は瑕疵担保責任を負い、10年より短い期間を定めた特約は無効であるとされています。

お問い合わせcontact

ロゴ


六本木オフィス
〒106-0032
東京都港区六本木7-17-22
秀和六本木レジデンス610
TEL 03-6434-9874 FAX 03-6434-9875
大阪オフィス
〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4-11-6
ウェリス西天満304
TEL 06-6585-0678 FAX 06-6585-0214
福島オフィス
〒960-8041
福島県福島市大町2番32号
並木通りコロールビル4階
TEL 024-528-0330 FAX 024-528-0331
相馬オフィス
〒976-0042
福島県相馬市中村字田町2番地の1
さくらビル2階
TEL 0244-26-3327 FAX 0244-26-3328