弁護士法人ブレインハート法律事務所

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震災・原発被害

震災被害

今回の震災で、隣家の塀が倒れ、私の家の駐車場に停めてあった車が損傷しました。塀の所有者である隣人に、損害の賠償を請求した場合、認められるでしょうか。

今回の震災では、福島県内の多数の建造物に被害が出たため、こうしたことでトラブルになっているケースも多かったようです。

一般に、土地上に人工的に設置された物の「設置又は保存」に欠陥(瑕疵)があったため、他人に損害が生じた場合、その工作物を管理していた者(占有者)ないし工作物の持ち主(所有者)は、損害を賠償しなくてはなりません(民法717条1項)。

ご質問のケースでは、隣家に住む隣人の所有する隣家の塀が倒れたようですので、塀の「設置又は保存」に欠陥(瑕疵)があれば、あなたの隣人に対する損害賠償請求は認められる可能性があります。

もっとも、塀の「設置又は保存」に欠陥(瑕疵)があるかどうかについては、簡単には判断できません。

欠陥(瑕疵)とは、その種の工作物として通常備えるべき安全性を欠いている状態を指していると考えられていますが、今回の震災のように、非常に広い範囲で強い揺れを生じた地震では、欠陥のない工作物であっても壊れる可能性があります。

したがって、塀の「設置又は保存」に欠陥があったかどうかについては、争いになると、最終的には裁判所の判断を待たなくてはならない可能性もあります。

今回の震災によって発生した津波により親族が行方不明となりました。行方不明の親族の財産を誰がどのように管理したらよいのか分かりません。どうしたらよいでしょうか。

本人が住所地を離れて行方不明となった場合(不在者)であっても、法律上当然、不在者の財産を管理する権限のある者(親権者や後見人など)がある場合は、その者が財産の管理を行うことになります。

これに対して、不在者の財産を管理する法律上の権限のある者がいない場合、家庭裁判所は利害関係人又は検察官の請求により財産の管理について必要な処分(配偶者を不在者財産管理人の選任する等)を命ずることができます(民法25条~29条)。

借家に住んでいますが、棚の上に置いていた物が震災で落ちて床に傷がつきました。修繕費を払わなくてはならないでしょうか。

置き方が適切であったかどうか等の具体的な状況によって異なりますが、置き方が不安定で、簡単に落ちて床を傷付ける状態であった等の事情がなければ、賠償責任を負わない可能性があります。

通常、賃貸借では、借り主が通常の使い方をしていても発生すると考えられる損耗・毀損は貸し主の負担とされています。

ご質問のケースでは、物の置き方がどのようであったか不明ですが、置き方が適切であったにもかかわらず、地震によって床に物が落ちたという場合は、「借り主が通常の使い方をしていても発生すると考えられる損耗・毀損」として、借り主は賠償責任を負わない可能性があります。

分譲マンションに住んでいます。地震で上の部屋の配管に損傷が生じたらしく、水道が回復したところ階下にある私の部屋に水漏れが生じました。賠償責任を請求して認められるでしょうか。

地震前から配管が老朽化しており、配管として本来備わるべき安全性を備えていなかったという場合には、配管の占有者または所有者への損害賠償請求が認められる可能性があります。これに対して、配管が本来備えるべき安全性を有していたにもかかわらず、激しい地震により損傷が生じたという場合には、損害賠償請求は認められません。

震災による隣人とのトラブルを解決したいのですが、どのような制度を利用したらよいでしょうか。

まずは訴訟制度の利用が考えられますが、隣人とのトラブルの場合、話し合いによる柔軟な解決が結果的に双方にとって好ましい結果となることもありますので、簡易裁判所の調停や弁護士会の原子力発電所事故被害者救済支援センター手続(ADR)のような、第三者に間に入ってもらって話し合いによる解決を目指す手続の利用も検討してよいと思われます。

原発被害

東京電力への損害賠償請求では、どのような損害が賠償されるのですか。

原発事故と相当因果関係のある損害が賠償されます。具体的には、社会通念上、今回の原発事故から生じたと考えるのが合理的かつ相当と判断される損害が賠償の対象となります。

避難区域内に自宅がありましたが、東日本大震災で発生した津波により全壊・流出しました。自宅の賠償を東京電力に求めることはできますか。

賠償が認められるのは難しいと思います。ご相談のケースでは、自宅の全壊・流出は津波によって生じていますので、原発事故がなかったとしても被害の発生は避けられず、原発事故によって生じた損害ということは難しいと思われます。

東京電力への損害賠償請求に時効はありますか。

不法行為による損害賠償請求権の時効は、損害及び加害者を知ったときから3年で時効消滅することとされていましたが、平成25年12月11日に「東日本大震災における原子力発電所の事故により生じた原子力損害に係る早期かつ確実な賠償を実現するための措置及び当該原子力損害に係る賠償請求権の消滅時効等の特例に関する法律」(原賠時効特例法)が公布・施行され、今回の事故に関する原子力損害賠償請求の消滅時効期間については「10年間」となり、民法724条で「不法行為の時から20年」とされているいわゆる徐斥期間については、「損害が生じた時から20年」となっています。

避難に伴って家具を購入しました。東京電力に家具の購入費用を請求したいのですが、領収書を捨ててしまいました。領収書がないと請求することはできないでしょうか

領収書がない場合でも、購入した家具の写真や、購入日時・購入店等を記録・保存しておくと請求が認められる可能性もあります。諦めずに弁護士とよく相談してください。

どのような損害が賠償されますか。

既に多くの方々が請求されているので、ご存知の方も多いと思いますが、国の機関である原子力損害賠償紛争解決審査会が発表した中間指針(以下、単に「中間指針」といいます。)では、避難区域の方々について、少なくとも以下の損害が賠償されるとしています。ただし、財産価値の喪失又は減少については、未だ十分な賠償は行われておらず、今後本格的に賠償が始まる予定です。

  1. 避難、一時立入、帰宅費用
  2. 検査費用(人)
  3. 生命・身体的損害
  4. 精神的損害
  5. 財産価値の喪失又は減少等
  6. 営業損害
  7. 就労不能等に伴う損害
  8. 検査費用(物)

中間指針で対象とされていない損害は賠償の対象とはならないのですか。

中間指針では、中間指針で対象とされなかったものが直ちに賠償の対象とならないわけではなく、個別具体的な事情に応じて認められることがあるとされています。

ただし、具体的にどのような事情が認められれば賠償が認められるのかについては、未だ明確な基準はありません。

なお、避難者と東京電力との話し合いを仲介している原子力損害賠償紛争解決センター(文部科学省)では統括基準という基準を定め、例えば要介護状態にある避難者である場合や、身体または精神の障害がある、妊娠中である、家族の別離、二重生活が生じた等の事情が認められる場合には慰謝料を増額すべきと東京電力に提案しているようであり、東京電力でもこうした提案に応じ、慰謝料を増額して支払っているようです。詳しくは原子力損害賠償紛争解決センターのホームページ「統括基準について」でご確認ください。

避難区域内の財物損害の賠償については何も決まっていないのですか。

原子力損害賠償紛争解決センターの統括基準では、動産(製造業の機械・機具などの生産設備、卸小売業・サービス業などその他の事業者の事業用設備、住宅の家財等)であって避難等対象区域内に存在するもの、及び避難区域内の不動産については、①避難等を余儀なくされたことに伴い管理が不能等となったため、価値の全部又は一部が失われた場合における価値の喪失又は減少分及びこれらに伴う必要かつ合理的な範囲の追加的費用、②その価値を喪失又は減少させる程度の量の放射性物質に曝露した場合における価値の喪失又は減少分及びこれらに伴う必要かつ合理的な範囲の追加的費用、③財物の種類、性質及び取引態様等から、平均的・一般的な人の認識を基準として、本件事故により当該財物の価値の全部又は一部が失われた場合における価値の喪失分又は減少分及びこれらに伴う必要かつ合理的な範囲の追加的費用について、被害物の現状等が確認できない場合であっても、速やかに賠償すべき損害であるとしています(詳しくは原子力損害賠償紛争解決センターのホームページ「統括基準について」を参照ください。)。したがって、避難区域内の財物損害については、原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介の申立を行うことにより、早期の賠償が得られる可能性があります。

どのような損害が賠償されますか。

事業者の方については、少なくとも風評被害(放射性物質による汚染の危険性を懸念して敬遠したくなる心理が平均的・一般的な人を基準に合理的な場合に生ずる営業損害や就労不能等に伴う損害、検査費用(物)など)と間接被害(1次被害者との関係で、取引に代替性がない場合(事業の性質上、販売先又は調達先が地域的に限定されている事業で必然的に生じたもの)に生じた営業損害)が賠償されます。

また、原子力損害賠償紛争解決センターでは、自主的避難者についても一定の範囲で賠償がなされるべきであるとしています(詳しくは原子力損害賠償紛争解決センターのホームページ「統括基準について」を参照ください。)。

自主的避難者については、どのような損害が賠償されるのですか。

原子力損害賠償紛争解決センターの統括基準では、自主的避難の実行に伴い支出した実費等の損害額が既払い金を上回る場合において、①自主的避難を実行したグループに子ども又は妊婦が含まれていたかどうか、②自主的避難を開始及び継続した時期、③放射線量に関する情報の有無及び情報の内容、④実費等の具体的内容、額及び発生時期などの要素を総合考慮して、損害の有無を判断するとしています。

したがって、これに該当する自主的避難者の方は、原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介を申し立てることで早期に賠償が受けられる可能性があります。

賠償対象となるべき実費等の損害としては、①避難費用及び帰宅費用、②一時帰宅費用、分離した家族内における相互の訪問費用、③営業損害、就労不能損害、④財物価値の喪失・減少(自主的避難による管理不能等に起因するもの)等が挙げられています。

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