弁護士法人ブレインハート法律事務所

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その他

民事介入暴力事件

当社は、未だ暴力団関係者が会社に押しかけくるというような経験をしたことがないため、そのような場合の対処法がわかりません。そこで、基本的な心構えについて、アドバイスしてください。

暴力団関係者と応対するうえで最も重要なことは、毅然とした態度を堅持することです。

暴力団員は、刑務所入りの危険を十分認識しながら、資金獲得のために企業等を訪れているのですから、直接的な暴行、傷害を加えることはまれです。したがって、必要以上に恐れる必要はありません。ただし、相手は、脅しのプロですから決して侮ってはいけません。 暴力団関係者は、強い者には弱く、弱い者には限りなく強い態度をとるので、暴力団には屈しないという強い信念と、対決する気迫を持って折衝に当たることが大切です。

暴力団関係者は、相手を挑発して失言を誘い、あるいは言葉尻をとらえて徹底的に糾弾し、無理難題を押しつけてきますので、挑発に乗らずに冷静に対応することが大切です。また、暴力団関係者は、一般市民に馬鹿にされたり、なめられたりしたと思ったときは、「メンツをつぶされた。」などとして、場合によっては直接的な暴力行為に及ぶことがありますので、彼らを挑発することは危険です。

さらに具体的な対処方法を知りたい、日頃よりこのような事態に備えて常時弁護士に相談できる体制を作っておきたい、不当要求に対する対処方法等について継続的に弁護士のアドバイスを受けたい、といったご要望がある場合は、弁護士と顧問契約を結んで、顧問弁護士を確保することをお勧めいたします。

暴力団関係者が会社に押しかけきた場合の受付時の対応について教えてください。応対の要領について教えてください。

受付時(具体的な面談に入る前)に、相手方の氏名(フルネーム)、所属団体、所在地、電話番号及び用件等を確認しましょう。

また、年齢、人相、着衣、身体的特徴、言葉の訛り、携行品、自動車のナンバー・車種・塗色等をメモなどに記録しておくことも有用です。この記録については、面談時に面談担当者以外の方がじっくり観察して行うという方法もあります。

暴力団関係者が会社に押しかけきた場合、どのような場所で面談すればよいか教えてください。

相手方と面談する場合、応対者に有利な場所で、精神的に余裕をもって応対できる場所を選んでください。

具体的には、会社等の管理が及ぶ範囲内の場所等(例えば、暴追ポスターや不当要求防止責任者講習の「受講修了書」を掲示した社内応接室、社内電話がある部屋、大声を出せばすぐに社員にわかるような部屋等)で行うべきであり、相手からの呼出しには応じない、とくに暴力団事務所には絶対に出向かないようにしてください。やむを得ず外で面談する場合は、ホテルのロビー等、人目につく公共の場所を選んでください。

配置は、こちら側が入口に近い場所になるようにしてください。面談場所に相手方を入れる前に、凶器になるものが置いてないか確認してください。また、相手方を面談場所に入れた後、面談を開始した際にも再度確認してください。

暴力団関係者が会社に押しかけきて、「社長を出せ。」と言ってきた場合、どのような対応をすればよいか教えてください。

面談や電話は、責任者として選任された担当者が統一して行い、トップまたはそれに近い幹部は出さないようにしてください。

暴力団は、「責任者を出せ。」、「社長に会わせろ。」などと要求してくる場合が多いのですが、最初からトップが応対する必要はありません。「私が担当責任者です。お話を承ります。」と、決められた責任者が応対するのがよいでしょう。

責任者の選任にあたっては、正義感の強い明確な意思表示のできる責任者を予め決めておくことが重要であり、次のような方を選任されるとよいでしょう。

① 暴力団対策に関する講習を受講された方

② 上記の方から指導を受け、必要な知識等を身につけている方

③ 企業内のトラブル処理の任に当たっている方

また、応対担当者を複数決めておき、それぞれに合った任務分担も話し合っておきましょう。例えば、実際に相手方と会話をする方、相手方の年齢、人相、着衣、身体的特徴、言葉の訛り、携行品、使用車両等、相手方の特定に役立つ事項や面談内容をメモする方、関係者との連絡を担当する方、警察への通報を担当する方等を予め決めておくことが重要です。

暴力団関係者の要求に応じて会社で面談する場合、面談時間や人数を制限した方がよいでしょうか。

面談時間は予め明確に区切り(例えば「何時には○○がありますから何時までならお話をうかがいます。」などと告げて応対の時間を明確に区切る。)、応対時間は可能な限り短くします(長くても30分以内)。

また、長引く場合に備えて、社内から内線電話などを入れてもらうよう予め打ち合わせをしておいてください。

さらに、相手方が多人数の場合は人数制限(1人か2人。少ないほどよい。)を行い、多人数での面談を強要する場合には面談をしないようにしてください。

暴力団関係者の要求に応じて会社で面談する場合、こちら側で対応する人数についてアドバイスしてください。

不当要求防止責任者は、常に優位に立って応対しなければなりませんが、暴力団員は脅しのプロですから、1人で応対すると彼らのペースに引き込まれ、不利な応対を余儀なくされることもあります。

相手方の要求内容を正確に把握し、不測の事態に対処し、かつ、相手方との関係で数的な優位を保つため、前記のとおり相手方の人数を極力少数に制限したうえ、必ず2名以上(相手方より多数)で役割分担を決めて対応してください。

応対担当者が面談中、その他の者は、社内応接室等のドア越しにそれとなく中の様子をうかがう等して緊急事態に備えてください。

暴力団関係者の要求に応じて会社で面談する場合、相手にお茶を出した方がよいでしょうか。

お茶等を出すことは暴力団員が居座り続けることを容認したことになりかねないし、湯飲み茶碗等を壁に投げ付けられるなど、脅しの道具として使用されるおそれもありますので、お茶等の接待はしないでください。

暴力団関係者の要求に応じて会社で面談する場合、どのような点に注意して相手の話を聞けばよいか教えてください。

相手方は脅しのプロなので、些細なことに因縁をつけられないよう、まず相手側の話をよく聞き、趣旨・目的をハッキリさせてから対応してください(暴力団員が、何をネタに、どんな理由で、何をたくらんでいるのかを確認することが重要です。)。さらに、面談開始時に「何時まで」と断らなかった場合は、用件を確認した段階で、長くても30分の範囲内で、用件に応じた制限時間(極力短い方がよい。)を予め相手方に伝えてください(例えば、そのようなご用件であれば、○○時まで、お話をうかがいます。」等)。

彼らは、脅迫罪や恐喝罪を避けるため、「誠意を見せろ。」等とあいまいな表現をしますが、具体的に相手は何を求めているか、要求の本音は何か、具体的にはどうすればよいのかということを相手の口から言わせて、要求を明確にさせる必要があります。暴力団員は金が目当てなのですが、こちらから金銭での解決を投げかけてはいけません。恐喝罪にならないよう、「金を要求したわけではないのに、相手が金で解決してくれと言った。」と言い訳をされてしまいます。

また、用件によっては、応対者や応対方法が異なる可能性がありますので、いずれにせよ十分な確認をしましょう。

なお、用件を確認した段階で、暴力団員が別人の代理人として来訪したことが判明した場合、直ちに委任の事実を確認する(委任状を出してもらい十分確認する等。)ことも大切です。

暴力団関係者の要求に応じて会社で面談する場合、こちら側の言動で注意しなければならない点について教えてください。

相手が暴力団関係者ともなれば、何もしなくてもただ居るだけで怖い…というのが現実だと思いますが、その場から逃れたいという気持ちから、相手の一方的な要求に安易に応じたり、約束したりするようでは、企業としての姿勢が疑われます。

相手は、「子供の使いじゃない。」などと凄むでしょうが、ビクついたりせずに、強い信念と気迫を持ちつつ、落ち着いて対応しましょう。早く暴力団員との関係を絶ちたいという気持ちは分かりますが、無理に解決を急いではいけません。彼らは、結果を出したいわけですから、一刻も早く要求を呑ませたいのです。それに便乗して、解決を急ごうとすれば、彼らの思惑どおりになってしまいます。

暴力団員は、巧みに論争を持ち込んで、相手の失言を誘い、また、言葉尻をとらえて厳しく糾弾して要求に従わせようとしますので、相手の言うことに関し、議論をすることを避け、不用意な発言をしないように細心の注意を払い、発言を必要最小限にとどめることが肝要です。

面談当初の段階から「申し訳ありません。」、「すみません」などと、こちら側の非を認めるような発言をしたり、揚げ足を取られるような発言(例えば、会話の流れの中の「責任をもって○○します。」などと発言をすると、後で無関係のことまで「さっき責任を持つと言っただろう。」などと言われることがあります。)をしたり、ミスや落ち度が明確でないのに、こちら側に一方的に非があるような謝罪の発言をしたりするようなことは避けてください(もし、誤った発言をしてしまった場合は、その場において速やかに訂正してください。)。

とくに、相手方の指摘する事実が真実であれば、こちらにも非があるかもしれないが詳細は不明というようなケースの場合、相手方に対し謝罪や金銭賠償等をしなければならないのではないかと不安な気持ちになり、十分な調査をしないまま謝罪をしてしまうことがありますが、調査をしてみなければ指摘された事実やその事実についての責任の所在等が判明しない場合は、安易に謝罪をせずに、調査結果に基づき応対する旨を明確に伝えましょう。

仮に、こちら側にも一定の落ち度があるような場合(相手方の言っている内容自体に一部正当な要求が含まれているような場合)でも、法律上負担すべき義務は、実費弁償等、社会通念上相当な範囲内の損害賠償義務にとどまり、かつ、その義務は、ほぼ例外なく相手方の考えている詫び料等より、はるかに低額なものなのであり、また、正当な内容が含まれる要求であっても、要求手段や方法が社会的に相当な範囲を逸脱している場合には、要求行為自体が強迫罪、強要罪、恐喝罪を構成することがありますので、やはり安易な謝罪や約束は絶対にしないでください。やむを得ず謝罪をする場合も「○○の事実については、お詫び申し上げます。」等、特定の事実に限定して謝罪をしてください。また、謝罪をした際に、相手方から「謝って済むと思うのか。誠意がない。」などと言われた場合、こちら側で既に賠償額を明確に定めているような場合は、その賠償額を支払うことのみを伝えるべきですし、定まっていない場合は「裁判所で認められる法的責任がある場合は、その範囲で対応します。」などと答えるしかありません。さらに、相手方が「誠意がない。」などと言ってきても、こちらから金銭賠償の提案はせずに「裁判所を通して具体的なご請求があれば、こちらも顧問弁護士等と相談して対応いたします。」などと答えてください。 また、その日の面談における相手方の話を聞いただけで要求に応じられない内容であることが明らかなときは(ほとんどの場合、応ずるべきではない。)、明確に拒否してください。不当な要求に対してのあいまいな返事は危険です。 世間の評判や関係者の名誉等を優先して水面下で解決したり、安易な妥協をしたりすると、いわば「良いカモ」とされ、後々まで酷い思いをする結果となるので、例えば、「当社の方針(あるいは業界等の方針でも可)として、そのような要求には一切応じないことになっています。お断りいたします。お引き取りください。」などと言ってキッパリと断り、付け入るすきを与えないことが肝要です。

暴力団の追及に対する回答に窮した揚げ句に、前記のとおり「申し訳ありません。」などと自己の非を認める発言をしたり、「検討します。」、「考えてみます。」などと相手に期待を持たせる発言をしたり、再び訪問される口実となるような言動をすることは厳に謹んでください。

暴力団関係者との面談において、相手方から「一筆書けば何もしないから。」などと言われた場合、これに応じて署名等をしても大丈夫でしょうか。

理由なき書類(詫び状、念書等)は作成せず、署名・押印もしないことが重要です。

暴力団は「一筆書けば許してやる。」などと言って、詫び状や念書等を書かせようとすることが多いのですが、これに応ずると、後日、「お前のところも非を認めて詫び状を書いているのだろう。」などとその書類を盾に金品の要求をしてきます。したがって、理由なき書類を作成したり、安易に名刺に署名・押印したり、暴力団員が持ってきた書類に署名・押印するなどの行為は絶対に禁物です。

暴力団員は「ここに来たことを上の者に報告するので、お前の名前の名刺の裏に判を押せ。」などと全く義務のない話を持ちかけ、あとで要求を認めたと主張したり、悪用したりします。

また、暴力団等が社会運動に名を借りて署名を集めることがありますが、これに署名すると、これを持って署名者が属する会社の他の支店や関連企業等を訪問するなどして賛助金集めの道具に使われかねません。

暴力団関係者との面談において、メモなどはとった方がよいでしょうか。また、メモをとることに文句をつけられた場合、どうすればよいでしょうか。

暴力団員等との電話、面談による応対内容は、犯罪検挙、行政処分、民事訴訟等に不可欠ですので、確実にメモ、録音、録画し、記録化しておくことが必要です(モニターカメラがあれば一部始終を録画するようにしてください。)。

メモしていることが相手方に分かるのは当然ですが、録音についても、事前に相手方に告げて公然と録音をすることが相手方をけん制するうえで効果的です。たとえ相手が拒否しても「内容を上司に正しく報告する必要があります。」などと告げて録音を励行してください(録音については、相手の言葉はもちろんのこと、当方の言葉も全部入りますので、発言には十分注意してください。)。

暴力団員は不利になると「証拠でもあるのか。」、「言った覚えはない。」などと平気でシラをきりますから、必ず証拠を残しましょう。

記録された資料は、後日、事件として発展した場合の重要な証明資料にもなりますので、大切に保管してください。

応対担当者が面談中、その他の者は、相手方の自動車のナンバーを控える等、できる限り相手方のデータを収集するよう努めてください。

暴力団関係者との面談において、相手方が怒って乱暴な態度に出た場合、どうすればよいでしょうか。

暴力団員が不法行為に及んだときは直ちに110番することが肝要です。

この場合、不要なトラブルを避け、受傷事故を防止するためには、暴力団員に気付かれないように通報することが必要です。もし、暴力団員に気付かれて「なぜ警察を呼んだ。」などと言い掛かりを付けられた場合には、「警察からそのように指導を受けています。」と答えるなど毅然とした態度を取ることが大切です。

なお、こちら側にも非があるような場合、その事実には、できれば警察にも知られずに解決したい気持ちになることもあるでしょうが、隠さず明らかにして相談する勇気を持ち、正しい対処方法で事態を早めに小さく処理しましょう。

暴力団関係者との面談を短時間で打ち切る方法についてアドバイスしてください。

応対は必要最小限にして打ち切ることが重要で、用件にもよりますが、面談当初に相手方に告げた面談時間を経過したとき、そうでない場合は用件を確認したうえで自分なりに決めた時間を経過したときは(いずれにしても30分以内)、「予定の時間が過ぎましたのでお引き取りください。」、「本日は会議がありますので、あと5分で終了させていただきます。」、「時間になりましたので、お引き取りください。」とか、「これ以上お話しても当方の考えは変わりませんのでお引き取りください。」などと明確に告げて退去を求めてください。

また、長引く場合に備えて予め社内から内線電話などを入れてもらうよう打ち合わせをした場合は、実際に電話をもらったのをきっかけにして、面談を打ち切ってください。

「お引き取りください。」、あるいは「お帰りください。」とはっきり意思表示をしたにもかかわらず、相手方が、居座って退去しない場合は、少し間隔を置いて「お帰りいただけなければ警察に連絡します。」と告げてください。それでもなお退去しない場合は、少しの間隔を置きながら3回ほど同じことを告げてください。それでも退去しなければ刑法上の不退去罪を構成するといえるので、110番通報してください。

なかなか容易なことではないかもしれませんが、「対応時間は短く、判断は慌てずに。」という考え方で対応してください。

暴力団関係者との面談終了時に、相手方から「お前が拒否しても俺は納得しない。もう一度社長と相談して、必ず電話をよこせ。」と言われたのですが、相手方の要求に応じて電話をしてもよいかアドバイスしてください。

面談終了後は、特別な事情がない限り、こちら側から相手方に電話を入れるなどして連絡をとることは、相手方に対し付け入る隙を与えるだけなので、連絡等はしないようにしましょう。

医療事故

私の父は、現在62歳ですが、先日、工場での作業中に誤って機械で目を傷付けてしまい、医師の診療を受けたのですが、目に注射のようなものをされた後、間もなく失明してしまいました。この点について、担当医師に説明を求めたところ、医師から、診療前の父の状態、治療方法、加療後の父の状態については、難しい言葉でよく理解できない部分もありましたが、一応の説明を受けました。しかし、父が何故失明したのか、注射のようなものを用いた治療と父が失明してしまったこととがどのように関係するのかなどが、一切わからないため、父も私たち家族も苦しんでいます。つい最近、改めて担当医師と面談して説明を求めたのですが、以前よりも私たちを警戒するような態度で、治療行為に問題があったから父が失明したとはいえないなどと言われ、早々に面談を打ち切られてしまいました。父や私たち家族としては、医師に責任をとってほしい(例えば、お金を払ってほしい。)というよりも、真実を知りたい、もし医療行為に問題があったのであればきちんと説明したうえで誠実に謝ってほしい、というような当たり前の要望をしているだけなのですが・・・。このような場合、これからどのようにしたらよろしいか教えてください。

医師ないし医療機関に対し、ご質問にあるようなお父様やあなたの率直なお気持ち、つまり、責任をとってほしいというよりも真実を知りたい、もし医師の医療行為に何らかの問題があったのであれば誠実に謝ってほしい、とのお気持ちを記載した文書を作成し、そのお気持ちを明確に伝えることは、なさってよいのではないかと思います。

ただ、ご質問の状況であれば、今後、同じような説明等を求めても、医師側が誠実な対応をするとは限りませんし、真相は容易に解明されないのではないかとも思われますので、弁護士に相談して、法的手続きも視野に入れた交渉等の依頼をされることも検討されてはいかがでしょうか。

もし、弁護士が依頼を受けた場合は、必要に応じ、診療記録等の開示請求や証拠保全、示談交渉、調停申立て、訴訟提起等を行い、相手方の責任を追及していきます。

その結果、医療行為自体にミスがあり、そのことが原因でお父様の失明に至ったことが明らかになれば、後遺症の賠償も含め相当高額の損害賠償が認められると思われます。

また、仮に、上記の点が明確に証明されなかった場合でも、医師側が事前に十分な説明を尽くしていなかったことが明らかになった場合等には、高額とはいえないまでも、一定の範囲で損害賠償が認められることがあります。

さらに、裁判所等が間に入って和解等が成立する事案では、相手方の意向にもよりますが、相手方から書面や口頭で謝罪を受けることができる場合があります。

私は、ある病院の事務長を務めております。当院では、日々、患者さんのために精一杯の活動をしているつもりですが、ときには患者さん等との間でトラブルが発生することもあります。トラブルの内容としては、医療行為自体のミスが問題とされているものもありますが、医療行為のミスといえるか否かは別として、どうして不幸な事態が生じたのかについて、もっと具体的でわかりやすい説明、詳細かつ丁寧な説明をしてほしい、といったことをおっしゃる患者さんやご家族が相当多くいらっしゃいます。また、担当医が冷たい対応をしたとか、不誠実な態度、高圧的で無責任な態度をとった、というような苦情をいただくこともあります。事務方から医師側へ事情の確認や調査を行うケースもありますが、医師の中には、「私のオペにミスはなかった。」の一点張りで、それ以上の調査に応じない医師や、「患者側の要望に合わせて詳細な説明をし、懸命に治療をしたにも関わらず、残念な結果になったケースで、後に、患者側から、以前の説明等の中から都合の良い部分だけを指摘されて、あたかも医師側に責任があるかのような疑われ方をしたことがある。それ以降、責任追及を受ける危険のあるような話は、自分からは一切しないようにしている。」とか、「患者さんに専門的な話をしても十分に理解してもらえないし、正直、面倒なので、自分から話を遮って、次のステップに進むこともある。」とか、「患者さん側から少しでも批判的な話をされると、後で何か責任をとらされるのではないかと考えてしまう。自分は、患者さんのために精一杯活動しているのに心外である。患者さん側の批判的あるいは懐疑的な言動に対しては、こちらが非を認めたことにならないようにするため、その場で徹底的に反論している。そのような対処をしていると、次第に患者さん側からは文句が出ないようになる。ただ、このようなケースで、後日、突然、訴訟を起こされたことがある。」などと話す医師もいます。今後の当院としての備えとして、以上のような状況をそのままにしていてよいのか悩んでおります。医師をはじめとするスタッフが、日々、患者さんのために一生懸命頑張っていることは私もよく承知しておりますが、今後に向けて良いアドバイスがあれば教えてください。

患者さんや、そのご家族の方々は、ご自身やご家族が怪我をしたり、病気になったりした際、病院等の医療機関を受診するわけですが、はじめから医師や医療機関を疑ったり、批判的な目で見たりしている方はほとんどいません。むしろ、医師や医療機関を信頼しているからこそ受診を希望するのです。また、患者さんご自身や、そのご家族のために、医師や看護師等が一生懸命に治療を行っている姿を見ていますし、感謝もしていると思います。まれに、そうではない人が含まれている場合もあるでしょうが、多くの患者さんは、普通の、善良な市民の方々なのです。

そして、患者さんや、そのご家族が、ご自身やご家族は今どんな病状なのか、いかなる病名の病気なのか、これからどんな治療がなされるのか、どのくらいの期間を要するのか、予後はどのようなものなのか等について、よく知りたい、わかりやすく教えてもらいたいと思うのは、ごく自然な心情です。

医師ないし医療機関の方には、基本的なことですが、以上の点を、はじめによくご認識いただきたいと思います。

たしかに、世の中には、医師や医療機関に対して不当要求をしてくる人もいますし、何らかの理由で医師や医療機関を疑っている、恨んでいる、あるいは悪意を持っているという人もいるでしょうが、そういう人たちは、ごく少数です。しかし、医師や医療機関側が、このごく少数の人たちの意識や考えを、すべての患者さんに共通する意識や考えであると勘違いをしてしまうと、初期対応から間違ってしまい、結果的にトラブルを多く招くことになります。

医師や医療機関の方々に申し上げたいことは、法的トラブルを未然に防ぐ、あるいはトラブルが生じたとしても最小限の被害で解決を図るためには、医療行為そのものを適正かつ充実したものにするよう努めるべきは当然ですが、それと同時に、患者さんやそのご家族を、お客さんという立場でみて、あるいは少なくとも自分達と対等の存在と認めて、事前・事後を問わず、いわゆる上から目線の対応や冷たい対応をせず、常に誠実な態度で、懇切・丁寧に接したり、説明したりする、また、相手の話を途中で否定したり遮ったりせずに最後までよく聞き、そのうえで医師や医療機関側の考えを、相手の疑問や不安等を無理に押え込む形ではなく、きちんと解消するという形で、相手に無理なく聞いてもらえるような話し方や態度で誠実に伝えていく、というスタンスが重要です。

そして、何よりも重要な点ですが、医師や医療機関に謝罪すべき部分があれば、早い段階から素直に誠実に謝罪することをお勧めします。医師や医療関係者の中には、過去にいわゆる医療過誤裁判を経験したり、他の医師等が訴えられた情報を耳にしたり、病院の顧問弁護士等から「医師や病院の側で予め非を認めたり、謝罪したりすると、後に起こされるおそれのある医療過誤裁判等に良い影響を与えないから、安易な謝罪等はしないように。」といったアドバイスを受けたりしていることがあり、これらを極端な形で理解し、必要以上に警戒する態度をとる、あるいは自己の非を一切認めない言動をする、といった方も見受けられます。たしかに、弁護士の中には、医師や医療機関に対し、上記のようなアドバイスをする弁護士はいると思われます。しかし、私どもは、こうしたアドバイスは、相手方が暴力団等の反社会的勢力や常習的なクレーマーなどによる不当要求を念頭に置いたアドバイスであって、相手方が患者さん側である本件のようなケース、つまり、当初は善良な市民として、医師ないし医療機関を信頼して治療を受けに来られる方が大半であるようなケースには妥当しないと考えております。むしろ、このようなケースにおいて、前記のようなアドバイスに従った対応をすると、トラブルが生じやすくなったり、起きてしまったトラブルがこじれてしまったりすることが多くなると考えます。

もっとも、やみくもに謝るという対応は適切ではなく、どの部分のどのような点について謝罪するのかを可能な限り特定して謝罪することが肝要です(もちろん、事前・事後の誠実かつ丁寧な説明とともに。)。

以上のような、私どもがお勧めするスタンスや対応をしていただければ、貴院のトラブルは減少するでしょうし、仮にトラブルが生じたとしても解決が早まるでしょう。

何事も証拠が大事だから、従来からある診療記録等の整備はもちろんのこと、患者さんやご家族等とのやりとりに関する書面もしっかりしたものを準備し、署名・押印等も必ずもらっておけば、トラブルがあっても怖くないし、争いに勝てる、と思われている方がいらっしゃるかもしれません。もちろん、証拠も書面も極めて重要です。しかし、これらを扱う医師や医療機関の意識や対応が正しいものでなければ、一つのトラブルに偶々勝てることはあるかもしれませんが、それ以外のトラブルが頻発するでしょうし、トラブルがこじれて病院等の評判を落とすこともあるでしょう。

繰り返しになりますが、患者さんやご家族の多くは、一生懸命、治療にあたってくれた医師や看護師の方々をきちんと見ていますし、感謝もしています。仮に、説明等を求められたとしても、その際の患者さん側のお気持ちは、医師や医療機関を責め立てるためのものではなく、本当のことを知りたくて、あるいは不安な思いの中で、より丁寧でわかりやすい説明を求めているというのがほとんどのケースであり、たとえ、その瞬間、瞬間には、患者さん側から、声のボリュームが上がった発言がなされたり、感情的な発言がなされたりすることがあるかもしれませんが、そこから逃げずに、先ほどから申し上げているような誠実で懇切・丁寧な対応を続けていけば、最終的には納得される、強い発言をしなくなる、納得までには至らないとしても正確な説明と誠実な謝罪さえ受けられればそれ以上の責任追及等は考えない、というような患者さん方が大多数であると思いますし、万一、争いになったとしても、上記の対応をきちんととっていれば、何ら恥じることなく堂々と訴訟等の場に臨めるでしょう。

しかし、そこから逃げて十分な説明をしない、相手の話を聞かない、相手が少し話し出すと、これを自分の声で覆い被せるように遮り、自分の話ばかりする、自分たちには絶対に非はないとの強硬な態度をとる、相手方の言動や態度を批判するような発言をする、話を強引に打ち切る、といった対応を続けていると、患者さん側も納得できず、引き下がれなくなり、中には弁護士に相談に行くなどして裁判をしてくる方も出てくるでしょう。そして、トラブルは絶えず続いていくでしょう。

貴院におかれましては、以上の点を参考にされ、今後の病院運営の改善等に取り組まれることをお勧めいたします。また、貴院の発展のために真に有益な助言等をしてくれる顧問弁護士等を得ることも重要であると考えます。

強制執行

強制執行には、どのようなものがあるか

金銭の支払を目的とする債権について、相手の財産を押えて債権の満足を図る強制執行、物の引渡や明渡を求める権利について、強制的に引渡や明渡をする強制執行、作為義務・不作為義務について、裁判所の決定を得て債務者の代わりに債権者自ら権利を実現する強制執行(代替執行)、債務を履行しない債務者に対し、債務の履行を確保するために相当と認められる一定の金銭を債務者に支払うべきことを命じ、債務者に心理的な強制を加えて、債務者自身の手により請求権の内容を実現させる間接強制等があります。

権利の存在を明らかにするものとしてどのようなものがあれば強制執行できるか

強制執行は、給付請求権を強制的に実現するための手続ですから、慎重な手続によって権利の存否が判定されたり、当事者の合意が一定の手続によって確認されたものであることがその前提として必要です。強制執行を開始するのに必要な、債権者の給付請求権の存在を公証する文書を債務名義と呼びますが、債務名義は法定されています。よく用いられる代表的なものとしては、例えば、判決、家事審判事件の審判、仮執行宣言付支払督促や、裁判で和解をしたり、請求されている権利を認めた(認諾)りした場合にこれを記載した調書(和解調書、認諾調書)、家事調停において調停が成立した場合の調停調書、民事調停において調停が成立した場合の調停調書、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載された公正証書等があります。ただし、公正証書は、簡便な手続で作成できるため、強制執行することができるのは、金銭の一定額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求に限られています。

金銭執行は、どのように行うのか

金銭執行は、金銭の支払を目的とする請求権について、債務者の財産から強制的に満足を得る強制執行です。債務者が不動産を所有している場合、不動産を差し押さえ、競売して売却代金から債権の満足を得ることができます。また、その不動産が例えば賃貸されている場合等に、その不動産を差し押さえて賃料等を管理人に交付させる方法による強制執行もできます。動産の場合、差し押さえて売却し、売却代金から満足を得ます。債務者が債権を有している場合、当該債権を差し押さえることができます。金銭債権を差し押さえた債権者は、差し押さえた金銭債権を取り立てたり、差し押さえた金銭債権を自己に移すことができます。

動産や債権は、どのような物でも差し押さえられるのか

生活維持・生業維持、プライバシーの保護、信教・教育上の配慮、社会福祉上の考慮、災害防止との調整等の観点から、一定の財産について、差し押さえが禁止されています。例えば、債務者等の生活に欠くことができない衣服や家具等は、これを差押えてしまうと生活できなくなるので、差押えが禁止されています。

また、債権も、給料等は、債務者の生活の維持に必要な債権であることから、その一部について差押えが禁止されています。

ただし、上記の差押え禁止の範囲は、裁判所の決定を得て変更することができる場合があります。

扶養義務等に係る金銭債権についての強制執行については、どのような特例が定められているか

夫婦は互いに協力扶助しなければならず、婚姻から生ずる費用を分担しなければなりません。一定の範囲の親族は、互いに扶養する義務があります。夫婦が離婚する場合は、子の監護に要する費用(養育費)を定めます。これら、婚姻費用、扶養料、養育費は、確実に支払を受けるべき要請が強いと言えます。

そこで、これらの金銭債権についての強制執行については、特例が定められています。

強制執行は、原則として、履行期の到来していない請求権についてはすることができないものとされています。しかし、扶養義務等に係る金銭債権が、確定期限付定期金債権である場合(毎月何日などと支払期日が定められている場合)に、その一部について支払が遅れた場合は、まだ支払期日になっていない債権についても、債権を差し押さえる方法による強制執行をすることができます。この場合は、差し押さえることができるのは、各請求債権について、その支払の期限が到来した後に弁済期が到来する給料などに限られます。

また、債権を差し押さえる方法による強制執行では、給料などの債権を差し押さえる場合は、一定範囲について差押えが禁止されますが、扶養義務等に係る金銭債権を請求債権として給料などの債権を差し押さえる場合には、差押えの許される範囲が広がります。

学校事故(いじめ・事故など)

子どもがいじめに遭っているのではないかと思うのですが、はっきりしたことが分かりません。今後、どのように対応したらよいでしょうか。

まずは事実を確認することが先決です。不確実な事実に基づいて対応を行うと相手から反論されて、かえって不利な立場に追い込まれる可能性があります。

お子さんと十分に対話して事情を聞くことは勿論ですが、その他にも、友達やその保護者・学校に事情を聞くなどして事実を確認してください。

最初はいじめがあったと言っていても、後で話が変わってしまうこともありますので、会話を録音しておくことも必要となる場合があり得ます。

会話の録音は違法ではありませんが、後でトラブルになることもありますので、可能であれば相手の同意を得てから行う方がよいでしょう。

いじめの証拠として十分かどうか自信が持てないときは、早めに弁護士に相談して意見を聞いて下さい。不十分な証拠で相手の責任を追及する場合、後でかえって不利になることもあるからです。

子どもがいじめに遭っていることが分かり、証拠も確保しました。今後、どうしたらよいですか。

まずは学校に相談して対策を考えることが考えられます。

しかし学校側の対応が十分でないと感じる場合は、早めに弁護士に相談してください。

弁護士が交渉し、あるいは調停やADR(裁判外紛争解決手続)などの手続を利用して加害者側と話し合うことにより、事態を早期に解決できる可能性もあります。話合いによる解決が期待できない場合は、訴訟を提起することも検討する必要が生じます。

なお、子どもへの悪影響が大きい場合は、転校も検討する必要があるでしょう。加害者が悪いのに被害者が転校することには納得できないという感情があると思いますが、後で加害者に損害賠償を請求することで衡平を図ることも可能です。

子どもの友達の親から、子どもが友達をいじめていると抗議されました。どのように対応したらよいでしょうか。

まずはお子さんに事実を確認してください。その上で、相手に謝る必要があると感じたときは、常識の範囲内で早期に謝罪すべきでしょう。

ただし、謝罪しても抗議が続く場合や金銭的な要求などをされた場合は、早めに弁護士に相談してください。一般的に不適切と考えられる場合であっても、法的な責任が発生するかどうかについては、別途慎重に検討する必要があります。

子どもが学校でいじめられた場合、いじめた子どもだけでなく、教師や学校の責任を追及することは可能ですか。

保護者からいじめについての相談を受けていたなど、いじめを予見できたのに、何の対応もしなかったという場合には、いじめた子どもだけでなく、教師や学校にも責任が発生すると考えられます。いじめの場合、加害者側に損害を賠償する十分な財産がない場合もあり、こうした場合には学校に対する責任追及が、被害回復に重要な意味を持ってきます。

学校で授業中に子どもが怪我をした場合、教師や学校に責任を追及できますか。

危険な状況にあったことを知りながら、何の対応もとらずに、お子さんが怪我をしたという場合には、教師や学校に責任が生ずると考えられます。ただし、怪我を予見できるかどうか、また予見したとして、結果を回避できたといえるかどうかについては、お子さんが怪我をした具体的な状況などから慎重に判断する必要があります。

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